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大学生向けの宇宙線測定ワークショップを開催しました

2025.07.11
イベント
(画像をクリックするとチラシのPDFをダウンロードできます)

2025年6月29日(日)に、名古屋大学理学南館ネオレックスプレイスセミナールームにて、大学生を対象とした宇宙線測定ワークショップを開催しました。理学部生を中心に、約10名が参加しました。

このワークショップでは、小型の宇宙線検出器「Cosmic Watch」を使って、宇宙から降り注ぐミューオンの観測にチャレンジ。自分たちの手で装置を分解・組み立て、測定するという体験を通じて、素粒子研究の入り口に触れてもらうことを目的としています。

研究紹介「宇宙線とは?研究者とは?」

プログラムの前半では、KMI特任助教の中村悠哉さんによるミニレクチャー「宇宙線とは?研究者とは?」を実施。宇宙線やガンマ線の基礎的な紹介に加え、「研究とは何か」「研究者として考えることとは」といったテーマについて、参加者が自身の将来を思い描くヒントになるようなお話をしていただきました。

Cosmic Watchを使った測定

後半のワークショップでは、参加者たちはグループに分かれてCosmic Watchの分解と再組み立てを通じて検出器の仕組みを学んだあと、実際に宇宙線の測定に取り組みました。
測定は「天頂角分布(=宇宙線の到来方向による変化)」と「遮蔽効果(=天井などの遮蔽物の有無による変化)」の2テーマに分かれて実施。それぞれのグループで測定条件を話し合いながら、どのように宇宙線の検出数が変化するかを確認しました。グループごとの測定値の違いや、その背景にある物理現象についても議論を深めました。

参加者のコメント

測定結果について、参加者同士で議論できたことが楽しかったという声が多く、以下のような感想が寄せられました。

物理学科では機器を扱う機会があまりないので、とても楽しかったです。

CosmicWatchを一度分解してから組み立て直すことで、しくみを自分の目で確認することができ、理解しやすくなりました。
また、測定条件なども自分たちで決めることができたので、とても楽しく取り組めました。

自分の予測と測定結果が異なったときに、その理由を考えるのがおもしろかったです。

学部生TAによるサポート

今回のグループワークには、理学部生の杉本幸太郎さん、加藤さくらさん、水野結日さん、籾木伶央さんの4名がサポート役として参加し、測定・議論のサポートを行ってくれました。参加者と同じ視点での丁寧なサポートとアドバイスによって、議論がより活発になり、参加者の理解も深まりました。

杉本幸太郎さんのコメント

後半のワークショップの進行を担当した杉本さんは以下のようにコメントをしています。

宇宙線測定を一緒に楽しむ仲間と出会いたいという思いから、このイベントを企画しました。準備は大変な面もありましたが、宇宙線に興味を持つ仲間たちと協力しながら、楽しく進めることができました。ワークショップ当日、参加者のみなさんが楽しそうに宇宙線測定している姿を見て、企画して本当によかったと感じました。


本イベントは、KMI広報室が主催し、加速キッチン合同会社の協力のもと実施されました。今後も、研究の現場にふれることのできる体験型プログラムを継続して企画していきます。

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