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名古屋大学も参加するLHC実験がブレークスルー賞を受賞しました

2025.04.11
ニュース / トピックス
受賞

米グーグルの創業者らが設立した科学賞「ブレークスルー賞(Breakthrough Prize)」が4月5日に発表され、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使って素粒子の性質などを調べた、名古屋大学を含む国際チームが基礎物理学部門に選ばれました。
この賞は、基礎科学の分野で人類の知識に重大な進展をもたらした世界トップクラスの科学者を表彰するものです。

国際チームが、ヒッグス粒子の精密測定による素粒子の質量起源の解明、暗黒物質、超対称性、余剰次元など、標準模型を超える物理への強い制限の設定などを通じて、基礎物理学の限界を前例のない領域まで押し広げたことが評価されました。

名古屋大学からは、素粒子宇宙起源研究所と大学院理学研究科から、継続的に10名ほどが、受賞の対象となった4つの実験(ATLAS実験、CMS実験、ALICE実験、LHCb実験)のうちATLAS実験に参加し、ミューオンと呼ばれる素粒子を高速で検出するミューオントリガーの建設・運用や、ヒッグス粒子のデータ解析などを担ってきました。また、2030年に運用開始予定の後継加速器(HL-LHC)での実験に向けたミューオントリガーのアップグレードでも、先導的な役割を担っています。

名古屋大学のグループの率いる堀井泰之准教授は次のようにコメントしています。

栄誉ある賞をいただくことができてとても嬉しいです。これまで本研究に携わってきた名古屋大学のメンバーをはじめ、世界中の仲間の努力の積み重ねによって得られた成果です。
ヒッグス粒子にはまだ多くの謎が残されています。今後も、国際協力のもとヒッグス粒子の精査を行うことで基礎物理学の限界をさらに押し広げ、標準模型の背後にある物理の理解に迫っていきたいと考えています。

名古屋大学(現所属)の受賞者

  • 堀井 泰之(素粒子宇宙起源研究所/大学院理学研究科・准教授)
  • 麻田 晴香(大学院理学研究科・大学院生)

関連メディア

名古屋大学のグループを率いる堀井泰之准教授
ミューオントリガーシステムを構成する検出器の写真(提供:CERN)
ミューオントリガーシステムがとらえたヒッグス粒子反応の候補(提供:CERN)

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