2024年2月20日(火)に、Belle II 実験が物理測定用のデータ取得を再開しました。
Belle II 実験は、SuperKEKB加速器で作り出したB中間子などの粒子の性質を詳しく調べ、未解明である宇宙創生のメカニズムを解く鍵となる、新しい物理現象を研究する素粒子物理学実験です。2022年夏から約1年半にわたり運転を停止し、加速器や測定器の大規模な改良を行いました。
今年の1月29日から加速器のビーム運転を再開し、2月20日22時12分に再開後はじめて電子・陽電子の衝突を観測しました。今後は、長期メンテナンス期間中に施した改良作業の効果を確認しながら、物理測定用データの蓄積を進めていきます。
名古屋大学の貢献
名古屋大学N研はこれまで、Belle II 測定器の粒子識別装置TOPカウンターの開発・運用をしてきました。2022年夏から始まった長期メンテナンス期間では、TOPカウンターで使用している光検出器を改良型へと交換しました。
改良された光検出器について、居波さんは、
「改良型の光検出器は、光子の検出効率の向上と光負荷への耐性を高めることができるものとなっています。今後の物理ランで、より高い精度での測定が可能となると期待しています」と話しています。
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