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高エネルギー加速器によって拓く素粒子物理学の次の展開

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KMI Experiment Seminar
KMI Seminars
2025-04-09 14:00
石野雅也(東京大学ICEPPセンター長/ILC-Japanスポークスパーソン)
ES635

素粒子物理学の「学問の流れ」をあらためて俯瞰すると、精密測定による実験結果が既知の物理法則と(わずかに)異なることを手がかりに、より高エネルギー領域で実験を行い、新粒子・新現象を発見することで、学問が進歩してきた例が多く見られます。

現在の素粒子物理学は、ヒッグス粒子の発見とその性質の測定を通じ、電弱スケールまでの物理現象を記述できる標準模型を確立しました。しかし、未統一の相互作用、暗黒物質の正体、物質優勢の宇宙が形成されたメカニズム、質量階層性問題など、多くの未解決の課題が残されています。新たな物理がより高いエネルギースケールに存在すると考えるのが自然である一方、そのスケールがどこにあるのか、科学的根拠をもって予測するのが困難な状況にあります。

このような状況において、素粒子物理学を次のステップへと進める現実的かつ有力な手段の一つが、「電子・陽電子衝突型リニアコライダー計画」です。電子・陽電子衝突による高精度な測定と、線形加速器という形状が可能にする衝突エネルギーの拡張性を考慮すると、既存の技術水準において最も優れた、合理的なアプローチと考えられます。

本講演では、リニアコライダーによる物理研究の可能性、加速器の開発状況、そして同様の目的を持つ他の計画との比較を通じ、この計画の意義・アイデアについて議論します。また、講演時間は50分を予定しており、より詳しく知りたい方に向けて、「ディープセッション」として、加速器・測定器・物理に関する各25分+10分のセッションも用意しています。ぜひ、そちらの方もあわせてご参加ください。

タイムテールブの詳細は こちらをご覧ください。

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