Home » Seminars » XENON1T実験における液体キセノンTPCを用いた暗黒物質の直接探索


KMI Experiment Seminar
2017-12-26 16:00
Shingo Kazama
KMI Science Symposia (ES635)

宇宙暗黒物質の正体は何か?これは現代物理学の大きな謎の一つであり、様々な実験により探索が行われてきたが、未だその正体は不明である。素粒 子標準模型の枠組みでこの暗黒物質を説明することは不可能であるため、この存在は標準模型を超えた新しい物理の存在を示唆しており、この正体を解き明 かすことは新物理を理解するための重要な鍵となる。本講演では、昨年度より稼働を始めた暗黒物質の直接探索実験、XENON1T 実験について紹介を行 う。暗黒物質の直接探索は、原子核が暗黒物質により反跳されて得たエネルギー(発熱・発光・ 電離といった形で散逸される)を測定し、暗黒物質以外の原因で起こる背景事象(BG)と区別する実験である。XENON1T 実験は、検出器として液体と気体の2 つの相のXeを用い、液体中のXe原子核との弾性散乱時に発生する直接蛍光(S1)、及び、電場により気体相へ取り出された電離電子が気体 Xe を電離させて発生する比例蛍光(S2)の二つの信号を検出器の上下に敷き詰めた光電子増倍管で検出を行う。背景事象である電子やガンマ線は Xe との相互作用で電子反跳を起こすのに対し、暗黒物質は原子核反跳を起こすため、この 2 種類の反跳事象に対して信号比 (S2/S1)が大きく異なり、事象毎の粒子識別が可能である。これにより、XENON1T 実験はほぼ BG フリーな環境下で暗黒物質の探索が可能であり、世界初のトンスケール(3.2 トンの液体 Xe)の検出器のもと、世界最高感度で暗黒物質の探索を続けている。本講演では、このXENON1T 実験の暗黒物質探索の現状とその将来計画であるXENONnT実験について紹介を行う。

Despite the overwhelming evidence for dark matter from astronomical and cosmological indications at various scales, a clear evidence of a particle which can explain these observations remains absent. XENON1T is a liquid xenon detector capable of exploring a large fraction of the available parameter space for weakly interacting massive particles (WIMPs). The experiment aims to detect WIMP-nucleon interactions using a dual phase time-projection-chamber (TPC) with a total target mass of about 2 tons. The sensitivity to spin-independent WIMP-nucleon cross sections is expected to reach 10^{-47} cm^{2} at a WIMP mass of 50 GeV after two ton-years of exposure. XENON1T has started its data-taking in the end of 2016 and is currently collecting more than 200 days of exposure. In this talk, current status of the experiment and details of analysis will be presented.