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高 次元極限におけるブラックホールダイナミクスの有効理論

Closed
2017-06-15 16:30
鈴木 良拓
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 4次元時 空中のアインシュタイン方程式は、唯一性定理により真空かつ漸近平坦時空において球 対称回転ブラックホールであるカー族のみを定常解として持つが、D>4である 高次元時空においては、ブラックリング解に代表される非球対称定常解が多数存在して いる。ところが、このような非球対称解は一般に解析が難しいため、近似的 手法または数値解の構成による解析に頼らざるをえない。
 近年、高 次元ブラックホールの近似的解析手法として、「高次元極限(Large D limit)」を用いた手法が発展してきた。高次元極限においては様々なホライズン 時空が単純な共通構造を持ち、ダイナミクスの解析が非常に見通しのよいものとなる。 特に、ブラックホールのダイナミクスがホライズン面上の「有効理論」に帰着すること がわかった。本講演では、重力の高次元極限について解説すると共に、高次 元有効方程式を用いたホライズンダイナミクスの解析を紹介する。