
MWAは西オーストラリアのマーチソン電波観測所の80MHz-300MHzという低周波帯域で観測する電波望遠鏡である。国際協力のもとに開発され、これまでオーストラリア、カナダ、インド、ニュージーランド、アメリカが参加しており、名古屋大学もこれに加わることとなった。
MWAのメインのサイエンスは宇宙再電離期の探査であり、遠方の宇宙から発せられた赤方偏移した中性水素21㎝線を観測することで赤方偏移6<z<10の間にある水素ガスの分布を知ることを目的としている。名古屋大学・熊本大学を中心とした研究グループでは、この水素ガスの分布とLAEと呼ばれる銀河との相互相関をとることにより、世界で最初の宇宙再電離期からのシグナルの検出を目指している。他のメインのサイエンスとしては、ファラデー回転を用いた銀河磁場の研究や、太陽と地球間や地球周りの電離圏の状態を探る宇宙天気研究が挙げられている。
MWA 望遠鏡の概要
観測周波数 | 80 – 300 MHz |
受信機の数 | 2048 dual polarization dipoles |
アンテナタイルの数 | 128 |
ベースラインの数 | 8128 |
有効集光面積 | Approx. 2000 sq. meters |
視野 | Approx. 15 – 50 deg. (200 – 2500 sq. deg.) |
バンド幅 | 30.72 MHz |
周波数分解能 | 40 kHz |
時間分解能 | 0.5 seconds |
偏向観測 | Full Stokes (I, Q, U, V) |
アンテナの配置 | 50アンテナ(<100 m) 62アンテナ(100m – 750m), 16アンテナ(1500m) |