名古屋大学 素粒子宇宙起源研究機構(KMI)

名古屋大学

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この機構について

物質の根源・宇宙の起源が何であるかは、長く人類が追究して来た命題です。名古屋大学では、大学草創期から独創的な素粒子論研究の礎が坂田昌一博士らによって築かれ、2中間子論、坂田模型、牧・中川・坂田理論など、その後の物理学の根幹をなす偉大な成果が生み出されました。これらが小林・益川理論へとつながり小林・益川両博士の2008年ノーベル物理学賞受賞にいたりました。また、理論的研究とともに、早い時期から素粒子・宇宙分野の実験研究が進められ、チャーム粒子、タウニュートリノの発見、小林・益川理論を実証したBファクトリー実験など、現在の標準理論を確立するうえで鍵となった第一級の世界的成果を生み出しています。

本機構は、名古屋大学におけるこれら輝かしい伝統をさらに発展させるべく、理学研究科、多元数理科学研究科、太陽地球環境研究所に所属する素粒子理論・実験分野、宇宙理論・観測分野、数理物理学分野、宇宙線研究分野の関連研究者を結集し、さらには素粒子理論に計算物理学の手法も取り入れ、現在の標準理論をも越える現代物理学の新たな地平を開拓することを目的としています。こうした新たな物理へのジャンプを、瑞々しい発想を持つ益川敏英機構長のもと、集中的に進めていきます。

特に、素粒子物理学では、今後数年のうちに、現在の標準理論を覆す発見がなされ、素粒子起源の解明にせまる革命期を迎えるものと期待されています。この結果は、宇宙研究・宇宙線研究の未解決問題である暗黒物質や暗黒エネルギーの解明、さらには宇宙の起源や時空の起源の解明など、周辺分野をも巻き込む大変革をもたらすものです。

本機構に参画する素粒子実験研究者は、ニュートリノ振動実験OPERA、欧州原子核研究機構CERN の加速器実験LHC、高エネルギー加速器研究機構KEKでのBファクトリー実験とその高輝度化実験などを牽引する中核的研究者であり、これらの実験から、標準理論を越える新たな現象が発見されるものと期待されます。素粒子理論研究者は、素粒子物理学の革命期を見据え、標準理論を越える模型の構築や性質の解明、標準理論ダイナミクス、弦理論などにおいて、きわめて独創的な研究で世界をリードしており、今後計算物理学の手法を取り入れ、さらなる研究の展開を図っていきます。宇宙理論・観測研究者、宇宙線研究者、数理物理学研究者も独自のプロジェクトにより第一級の世界的研究を推し進めていきます。世界的にも稀有な、名古屋大学におけるこれらの人材を結集し、実績ある理論・実験の研究グループが密接に連携することで、本機構は名古屋大学でのみ可能な、ダイナミズムを持つ研究組織を目指します。