DIARY

素粒子の謎に迫る私の毎日

堀井 泰之
堀井 泰之
KMIフレーバー物理学国際研究センター准教授
大学院理学研究科理学専攻准教授
1984年青森県生まれ。2006年東北大学理学部物理学科卒業、2011年東北大学大学院理学研究科博士課程修了、博士(理学)。2011年名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構特任助教、2013年名古屋大学大学院理学研究科助教、2018年名古屋大学大学院理学研究科講師、2021年名古屋大学大学院理学研究科准教授を経て、2023年4月より現職。専門は素粒子実験、特にLHCを用いたヒッグス粒子および素粒子質量起源の研究。

1週間のスケジュール

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私は、名古屋大学、CERN研究所(スイス)をまたにかけて、素粒子の謎の解明に向けて日々研究を行っています。この記事では、名古屋での1週間の例を紹介します。

月曜日:朝は、7時前に子供を起こして、朝食を食べ、9時頃に名古屋大学に到着します。月曜日は、定例の予定が比較的多くあります。会議、研究打ち合わせ、セミナーなどです。研究打ち合わせは複数の研究機関にまたがるものもあり、この日は東京大学、神戸大学の研究者と一緒です。定例の予定がない時間帯は言わば「ゴールデンタイム」で、研究、論文執筆、研究資金申請書執筆などに充てることができます。19時頃に帰宅してからは、夕食、子供の世話などを経て、自己研鑽をして睡眠します。

火曜日:この日はゴールデンタイムが長くあります。実際には、非定例の会議や打ち合わせで終日埋まってしまうこともありますが。昼には、物理学教室のメンバーとフットサルを行います。健康増進、交流の良い機会です。帰宅後は、ATLAS実験に共同で参加する海外の研究者との研究打ち合わせがあります。火曜日の研究打ち合わせは、イタリア、ギリシャなどの研究者と行っています。

水曜日:出勤後に学内の委員会に出席します。午後には、学部3年生対象の物理学セミナーがあります。自身は素粒子物理学のセミナーを担当しており、この時間帯は、素粒子物理学の意義や魅力を再認識する時間帯でもあります。夜は、ヨーロッパだけでなくアメリカの研究者も一緒の研究打ち合わせです。時差を考慮してこの時間帯に行っています。

木曜日:この日の午後には学部2年生対象の物理学演習があります。量子力学、特殊相対論を担当しています。自身にとって復習になるだけでなく、新たな気づきがあることがあります。夕方に研究室全体の会議があります。自身が参加するATLAS実験だけでなく、Belle II実験、ミューオンg−2/EDM実験の研究者も参加し、異なる実験の近況を知ることができます。

金曜日:この日も定例の研究打ち合わせが複数あります。ATLAS実験の巨大な検出器を運用・アップグレードするためには、複数の研究機関の研究者との協力が欠かせません。研究打ち合わせは研究遂行のための大切な要素であり、それが積み重なって大きな研究成果を得られると思っています。

サムネイル写真説明
スイスのCERN研究所では、地下100 mほどにある実験室に高さ25mほどのATLAS検出器を設置して実験する。高所作業のトレーニングを受けた上で、ヘルメットやハーネスをつけて作業する。