OPERA実験は、ミューニュートリノからタウニュートリノへのニュートリノ振動現象をアピアランス法によって解明することを主目的とした国際共同実験(11カ国、26機関)であり、名古屋大学KMIは、その中核の検出器である原子核乾板の開発からニュートリノ事象解析において中心的な役割を担ってきました。
授賞対象論文:OPERA collaboration "Observation of tau neutrino appearance in the CNGS beam with the OPERA experiment", Prog. Theor. Exp. Phys. 2014, 101C01 (2014) DOI: 10.1093/ptep/ptu132
欧州ジュネーブにあるCERNのCNGSビームから生成されたミューオンニュートリノビームを732km離れたイタリア・グランサッソ研究所において検出し、多くのミューオンニュートリノ事象から、ニュートリノ振動現象によって出現した数少ないタウニュートリノ事象を名古屋大学が中心となって開発してきた原子核乾板技術を用いて検出および解析され、4.2シグマの統計的信頼度でニュートリノ振動現象を解明したこと、さらに、これらの研究がニュートリノ質量およびニュートリノ振動の解明を前進させたことが評価されました。
参考URL: http://www.jps.or.jp/activities/awards/ronbunsyo/ronbun21-2016.php