現象解析研究センター 【名古屋大学 素粒子宇宙起源研究機構(KMI)】

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セミナー「Bs中間子の稀崩壊Bs -> mu muの探索」

日時:4月18日(月) 14:00−

場所:ES舘635講義室 

講演者:青木 雅人氏 (KMI現象解析研究センター)

タイトル:Bs中間子の稀崩壊Bs -> mu muの探索

要旨:加速器を使った粒子衝突実験ではあらゆる粒子が生成され、それらさまざまな粒子を使っての標準理論の精密検証や、または標準理論には無い新しい粒子の探索が行われ、そこから我々を取り巻く自然法則の解明が試みられている。それらの中で、Bs中間子がミューオン対に崩壊する過程の探索は標準理論には無い新しい物理の探索をするのに非常な重要な役割を担っている。この崩壊は標準理論の中では強く制限されていて、その分岐比は10のマイナス9乗程度と予言されている。今現在我々が持っている加速器のデータ量をもってしてこの小さな分岐比の信号を検出することは不可能であるが、もし新しい物理(粒子)が介在した場合は今現在のデータ量でも検出可能なほどその分岐比が大きくなることがある。この崩壊の探索をすることで標準理論をこえた新しい理論に対し強い制限を与えることができ、またもし今現在のデータ量で信号が検出できた場合はそれは直ちに新しい物理の存在を意味することになる。本セミナーではこの稀崩壊過程の探索について米国フェルミ研究所にあるD0実験での結果を紹介する。
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